自宅の収納スペースが手狭になり、トランクルームの利用を考えている多くの方が、
・契約手続きや保管方法
・運営会社や施設の選び方
など、不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
私が事前に調査した時に感じたことは、上記以外に
・保管する荷物の安全面
・賃料の滞納や解約時のトラブル
などの不安も意外に多いこと。
これは「自宅以外に預けられるサービス」の存在は知っていても初めての方が、このような不安を感じてしまうのは仕方のないことだと思います。
今回は、「トランクルームによくあるトラブル」について、契約前に知っておけば防げることを事例を交え解説していきます。
契約時のトラブル
殆どのトラブルは、契約時にしっかりと確認しておくことで防げること。
契約には、いろいろな書類があり中でも
・トランクルーム利用約款
・重要事項確認書
どちらも運営会社によって名称は違うこともありますが、この内容は時間をかけてでも熟読する事。
内容については、トランクルーム利用約款では
・契約期間や解約、
・利用料の支払いや保証金
・延滞金や収納物の管理・保証
・禁止収納物
など、利用する際の確認事項が書かれています。
これを補足する形でまとめてあるものが「重要事項確認書」です。
運営会社によっては、約款だけというところもあると思いますが、内容を把握しておくことで、思わぬトラブルに巻き込まれることも回避できるでしょう。
あと、解約時は原状回復することが基本ですが、利用前からあるキズなどは荷物を搬入する前に写真に収め、担当者に連絡し修理をお願いしましょう。
賃料の滞納と荷物の処分
契約時のトラブルの補足ですが、トラブルの中で意外に多い事例の一つ「賃料の滞納と荷物の処分」についてですが、これは
・3か月以上滞納したら、保管していた荷物を処分されてしまった
というトラブルです。
これは、国土交通省が定める「標準トランクルーム約款」が改訂(H19年9月)され、
・寄託物の取引の催告→寄託物の処分が可能になるまでの期間
これが、「1年から3ヵ月変更」されました。
これにより、認定トランクルームを運営する倉庫事業者側で処分できることになりました。
では、賃貸借契約で利用している場合はどうなのか?
こちらは、国土交通省が定める「標準トランクルーム約款」の適用はできません。
しかし、契約時に保証会社との契約が必要になる場合があります。
保証会社とは、保証金を支払うことで契約者に賃料の滞納があった場合、運営会社に賃料を弁済してくれる会社です。
なぜ、契約時に保証会社と契約をする必要があるのか?
それは、保証人の代わりです。
「保証人不要」を謳っている運営会社も多く、保証会社の利用を必須としているところが多いこと。
保証会社と契約すると、「保証契約書」などの書類に必要事項を記入することになります。
多くの保証会社では、賃料の延滞が発生した場合、3ヵ月経過後「内容証明郵便で利用者に催告書」を送付します。
催告書の送付については、保証会社によって
・運営会社の代理として、「運営会社名」で送付する
・代理ではなく、保証会社が直接送付する
パターンがあります。
いずれも催告書送付後、状況が変わらない場合に荷物の処分が行われます。
どちらにしても、3ヵ月経過後に処分されてしまう可能性があり、大切な荷物を処分されることになったら大変ですよね。
賃料の支払い期日をキッチリ守って荷物を処分をされないようにしましょう。
特に長期一括契約をしている利用者の中には
「月々の支払いがないことから契約していること自体を忘れている」
という方もいるので注意が必要です。
利用に関するトラブル
多くのトランクルームの施設は供用スペースです。専用で借りているのは、あくまで保管スペースのみ。
ここでは、トラブル回避の術は「思いやりの精神」だと思います。
例えば、自前の台車を使う分には問題ありませんが、施設に備え付けの台車を使用する場合は、荷物を乗せたまま作業していると、他の利用者がいれば「早く荷物下ろしてよ!」なんて思ってしまい、イライラすることも。
「すいませーん、すぐに下ろします」と一声かけることも、トラブル回避になるでしょう。
また、施設内の通路は意外に広くはありません。
人が通り抜け出来ないくらい荷物を置いて作業してしまっては、他の利用者の迷惑になりますよね。気の短い利用者ならトラブルになりかねません。
あともう一つ、駐車スペースについてのトラブル。
屋内施設には、備え付けの駐車スペースが数台、もしくはない場合もあります。
少しでも早く出し入れしたいと思うのが心情なのは理解できます。
利用者の誰もが同じような気持ちでいると、トラブルが発生しがちになります。
・少し時間に余裕をもって行動する
・常に保管物は整理しておき、速やかに出し入れする
・契約時に施設の近隣にコインパーキングはあるのか、予め調べておく
などの余裕は持ちたいものですね。路上駐車は以ての外ですよ。
くれぐれも「思いやりの精神」を忘れずに作業しましょう。
収納物に関するトラブル
荷物を預け入れた後に、「カビや錆などで劣化した」などのトラブルも多く聞きます。
これは、契約前の施設選びの段階で回避できることです。
予め「どのような荷物を預けたい」かが決まっていいれば、契約段階で運営会社の担当者に質問すれば、最適な施設を紹介してくれます。
少しでも料金を抑えたい、という気持で選んでしまうと、この様なトラブルになることも。
空調設備が整っている屋内型のトランクルームでも、デリケートな荷物を預けるのなら、
・空調設備は24時間稼働しているのか
・気温は何度に設定しているのか
・湿度管理はどうなっているのか
など、実際に契約時に確認しておくことが大事です。
屋外型のトランクルーム(コンテナ)は、屋内型トランクルームに比べ空調設備も整っていないので、劣化しにくい物や短期利用の場合以外は避けておくことで、トラブルは避けられるでしょう。
何れにせよ、契約前に施設見学し実際に見ておくことでトラブル回避になる事もあります。
もし、大切な荷物が劣化した際の保証などについても契約時に質問しておけば、保証の内容や場合によっては、オプションで保険の加入などの相談にのってくれるでしょう。
保険や補償については、こちらをご覧ください
異臭などのトラブル
これは、カビや錆などで発生する臭いの他に、生もの(植物や園芸用の土など)や腐敗臭のするものなど、誤って保管してしまった時に発生するトラブルです。
こちらにも書きましたが、
契約時に渡される書類にも明記されています。
屋内型の施設では、建物全体に異臭が広がり、他の利用者の荷物にも影響を及ぼします。
もし、他の利用者の施設から悪臭が発せられている場合は、速やかに運営会社に連絡しましょう。
こちらも契約時の書類を読み込んでおけば、「保管禁止の荷物」は分かっているはずです。
細心の注意を払っておけば、こちらも回避できるはず。
荷物の搬出入のトラブル
最後に荷物の搬出入時のトラブルです。
やむを得ず早朝や寝静まった深夜の時間帯に荷物を移動する際は
・荷物の積み下ろしの音
・話声
・車のエンジン音
などの音は、施設近くに住んでいる方には迷惑になることもあります。
特に密集地の場合は尚更です。
ここも「思いやりの精神」で作業に取り掛かりましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか? トラブルの多くは
・自分(利用者)の落ち度
など、契約時に確認できることが殆どです。
また、
・利用者どうしの人間関係
などは、お互い思いやりを持っていればトラブルなどは起こらないのではないでしょうか?
多くのトラブル事例を見ても、契約時に渡された書類にあまり目を通さず、利用時にトラブルを起こす事が多いのも事実です。
賃貸借契約で利用する場合は、保管するスペースを貸すことで、荷物の管理については基本自己責任です。
大切な荷物を預ける訳ですから、荷物の管理については細心の注意を払って利用しましょう。